薬の代わりに、「自然」と共存する未来

世界の全死因の約74%を占めるNCDs(がん、心臓病など)は医学の進化に関わらず増加傾向にあります。そのような中で、都市部の自然との触れ合いがNCDsのリスクを低減し、健康を向上させる効果が科学的に示されました。今後、薬の代わりに「自然」が処方されるケースが増え、都市設計において緑地も重要なインフラの1つになるかもしれません。
SDGsをはじめとする、地球や環境に配慮した活動が近年大きな盛り上がりをみせています。しかしながら日本においてマジョリティーの活動まで広がりが見られないことは、自分の世代というよりは、子供や孫の世代といった数十年先に影響を及ぼすという時間軸の長さによって、環境問題を自分ごと化しにくいという要因もあるように感じています。
そのような中で、各個人の健康問題にも影響を及ぼすという今回のエビデンスは、短期的で合理的な理由からSDGsをより推進するに繋がる可能性を秘めており、ひいては中長期の自然の大切さ・自然との共存について広く考えるきっかけになることが期待されます。