道徳は衰退していない──「世も末だ。」「昔は良かった。」が生まれる科学的な理由

ハーバード大学などの研究によると、人は「昔より今のほうが道徳が衰退している」と感じやすいが、実際には道徳性そのものは長期的に低下していないことが示されました。この“道徳の衰退”という感覚は、ネガティブ情報への注意バイアスと過去を美化する記憶の歪みにより、人類共通の錯覚として生まれています。
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現在でも、「バブルの頃は……」「昭和の時代は……」「最近の子どもたちは……」といった声をよく耳にします。
しかし、実際に状況が悪化しているわけではなく、私たちには“過去を美化してしまう”習性があることが研究で示されています。例えば、日々のニュースを見ていると日本の犯罪数が増えているような感覚も覚えますが、全体で見た長期の犯罪数としては改善傾向なのです。(参考:「犯罪は増えていて凶悪化している」という誤解)
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