アマゾン熱帯雨林を先住民に返還。自然再生の新しい一歩
先住民族が長い歴史の中で失われた祖先伝来の土地所有権を法的に勝ち取り、アマゾン熱帯雨林の所有返還を果たしました。先住民自身が森林を管理し気候変動対策と自然保護を推進する、政府が初めて土地所有権を認めた画期的な出来事です。
短期的で無限的な成長を優先する資本主義経済は、多くの便益も生み出しましたが、同時に多くの損失を生み出したことにも人類は目を向けねばなりません。短期的な経済成長を理由に森林伐採や農地開拓などを急激に行なってきた結果、アマゾンの全領域がサバンナと化してもう二度と戻れない水準（ティッピングポイント）に近づいているといわれています。私たちの子孫と地球の未来のため、「将来のまだ見ぬテクノロジーがなんとかするだろう。」という根拠なき楽観思考で前進し続けるすることに限度がきているのです。
また過去の歴史的な経緯から先住民を人類の劣後した存在に捉える風潮（ダーウィンの進化論の誤用）が未だ根強いですがーー自然との共存という観点で圧倒的な知恵と経験を持つ先住民に管理を任せる仕組みが成功し、今後より大きな広がりが早急に生まれることが期待されます。