HOPIX(ホピックス)|5月26日週の「希望の市民」トピック

HOPIUSの新企画「HOPIX(ホピックス)」では、世界のニュースの中から“希望の兆し”を見つけ出し、カテゴリー別にお届けしています。

今週は【市民】のカテゴリーから──
市民一人ひとりの意志と行動が、社会を変え、未来への光をともしている2つのニュースをご紹介します。

HOPIX 1|グレタ・トゥンベリ、再び最前線へ

グレタ・トゥンベリさんのことを、私は「ひとりぼっちの挑戦」というドキュメンタリー映画で知りました。
2018年、15歳のグレタは、気候変動への無関心に抗議し、たった一人でスウェーデンの国会前に座り込む「学校ストライキ」を始めます。その姿は、たちまち世界の若者たちの共感を呼び、国際的なムーブメントへと広がりました。

2019年の国連気候行動サミットでのスピーチでは、涙ながらに未来への危機感を訴え、世界の注目を集めました。
映画には、世界のリーダーたちとの対話だけでなく、動物と戯れる姿やアスペルガー症候群と向き合う彼女の内面、家族の支えなども丁寧に描かれています。

そして2025年、気候変動への抗議活動は絶え間なく続けていた彼女は、今度はガザへの抗議運動を起こしました。
イスラエルによるガザ地区への攻撃に抗議するため、他の活動家たちと共に、人道支援物資を積んだ船でガザを目指しています。

この航海を主催しているのは「フリーダム・フロティラ」という団体。ガザ封鎖に抗議し、国際社会に訴えかけることが目的です。グレタたちが乗っていた船は航行中に損傷を受けましたが、活動家たちはイスラエルによる無人機攻撃の可能性を指摘しています。

グレタさんの行動は、沈黙を選ぶよりも、希望を生み出す勇気。
その強さに、ただただ敬意を抱きます。そして彼女の姿が、無関心でいようとする大人たちの目を、少しでも覚まさせるきっかけになることを願います。

出典:AFP通信

HOPIX 2|選択的夫婦別姓、28年ぶりの審議入り

もうひとつの希望のニュースは、日本国内の動きです。
選択的夫婦別姓の法案が、28年ぶりに衆議院で審議入りしました。

「名前」は、個人の尊厳やアイデンティティを象徴するもの。
また女性の社会進出が進む中で、「苗字を変更すること」は機能的に不便なことが数多くあります。


今回、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党がそれぞれ法案を提出。夫婦が別姓を選べるようにする案から、旧姓を通称として使用し続けられる案まで、多様なアプローチが議論され始めました。

与党の自民・公明両党は法案提出こそ見送っていますが、野党の法案の審議には応じる方針。これは制度実現に向けた前進と言えるでしょう。

社会の変化とともに、家族のかたちも多様になりつつあります。“名前を選ぶ自由”は、自分らしく生きるための大切な選択肢のひとつ。
その実現に向けて、私たちの社会は少しずつ、着実に歩みを進めています。

出典:NHKニュース



グレタさんのように、自らの声を信じて行動する人。
そして、日本の制度を少しずつ動かそうとする市民や議員たち。

どちらも、私たち一人ひとりが持つ力の可能性を教えてくれるニュースでした。
小さな一歩が、誰かにとっての大きな希望となる──
今週もそんな循環が、広がっていきますように。

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