哲学が鍛えるのは脳の“考える筋肉”──60万人調査の成果とは

大規模調査によると、哲学を専攻した学生は、入学時の学力を補正しても、卒業時に「言語力」「論理的思考力」「探究心・多様な視点を受け入れる姿勢」などで他専攻学生を上回る伸びを示しました。哲学が、「言葉+論理+思考習慣」の訓練として教育的価値のある選択肢であることが示唆されました。
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「就職に有利だからXX学部に進む」「仕事に役立つからXXを学ぶ」──そんな“実利”を軸にした進路の選択肢を、教育ではしばしば耳にしてきました。しかし、テクノロジーの発展によって社会の変化がいっそう加速し、AIが担える業務が増える今、「人間にしかできない仕事とは何か?」という根源的な問いを、多くの人が改めて抱き始めています。
そのような時代だからこそ、根源的な教養に端を発し、答えのない問いを扱う「哲学」に光が当たることには、大きな意味があるかもしれません。哲学を学ぶことは、「学ぶとは何か」といった本質的なテーマを、社会全体が見つめ直すきっかけにもなるのではないでしょうか。


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